基本的には個々のピクセルのThresholdとToTの応答を揃える作業を行っている。以下に各チューニングの概要を示す。
Thresholdチューニング
個々のピクセルのThresholdを揃える作業。個々のピクセルのThresholdの値は
Threshold = (256*Vthin_AltCoarse + Vthin_AltFine) + (TdacVbp * Tdac)
で決まる。グローバルパラメータ(Vthin_AltCoarse, Vthin_AltFine, TdacVbp)は全ピクセル共通の値であり、ローカルパラメータ(Tdac)は個々のピクセルに割り当てられたパラメータである。
まずグローバルパラメータのチューニングを行うために、GDAC_FAST_TUNEを行う。
GDAC_FAST_TUNEでは全体のスレッショルド分布の中心値をターゲットバリューに合わせている。実際にいじっているパラメータはVthin_AltFineとVthin_AltCoarseである。
Vthin_AltCoarse=1はVthin_AltFine=256に対応しており、これらの値が大きいほどスレッショルドは高くなる。
スレッショルドのターゲットバリューはScan ParsのThreshold target value for G/TDAC tuningで変更。スレッショルドを2400 eにしたければ2400と入力すればよい。
ローカルパラメータのチューニングにはTDAC_FAST_TUNEを行う。これはTdacの値を変更してThresholdの値をターゲットに合わせる作業である。
ToT チューニング
ある既知の電荷量が収集されたときに個々のピクセルのToTの応答を揃える作業。
ToT の応答を揃えるためにFeedback Currentの量を調整する。Feedback Currentが大きいと、ToTは小さくなり、Feedback Currentが小さいと、ToTは大きくなる。
個々のピクセルのFeedback Currentの値は
Feedback Current = PrmpVbpf + FdacVbn * Fdac
で決まる。グローバルパラメータ(PrmpVbpf, FdacVbn)は全ピクセル共通の値であり、ローカルパラメータ(Fdac)は個々のピクセルに割り当てられたパラメータである。
まずグローバルパラメータのチューニングを行うために、IF_TUNEを行う。
IF_TUNEは全体のTOT分布の中心値をターゲットバリューに合わせている。
ターゲットバリューはScan ParsのToT target value for IF/FDAC tuningとReference charge for IF/FDAC tuningで変更。
ピクセル電極で10000 e収集されたときにToTを5 BC (Bunch Crossing) 分返したいときは、前者に5、後者に10000と入力す ればよい。実際にいじっているパラメータはPrmpVbpfである。
ローカルパラメータのチューニングにはFDAC_TUNEを行う。これはFdacの値を変更してToTの値をターゲットに合わせる作業である。
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