4日目 (放射線耐性のシミュレーション)
今日使うサンプルの準備
今日使うサンプルをコピーしましょう。
cd ~/work/Silicon/TCAD/Sentaurus/tutorials
mkdir -p tar_src
cd tar_src
cp /home/kojin/work/Silicon/TCAD/Synopsys/tutorials/Simple2Dirrad.tar.gz .
swb Simple2Dirrad.tar.gz &
ここでワークベンチを立ち上げ、Simple2Dirrad.tar.gzと言うファイルを読み込みます。
~/work/Silicon/TCAD/Sentaurus/tutorials/
という場所にプロジェクトを保存してください。
早速sdeを走らせてみてください。 node8です。
今回は時間がかかるので以下のノードを走らせておいてください。
n46-n50およびn136-n140, n196-n200
n51, n56, n61, n66, n71
n142,n147, n152, n157, n162
n201, n206, n211, n216, n221
安定したシミュレーションのため今回はpstopのexampleです。(
Simple2D _dvs.cm をみて2日目の演習課題の答え合わせをしてみてください。)
ガードリングも少し離してあります。
TCAD 表面損傷のシミュレーション
表面損傷のシミュレーション概要
講義参照
表面損傷のシミュレーション実習
まずはノード n46-n50およびn136-n140, n196-n200を走らせてみてください。時間がかかりますので解説をします。(Ctrol押しながらドラッグすると選択できます。)
基本的な情報はmanual/sdevice_ug.pdf/chapter17にあります.
bulk damageやsurface damageについて書いてありますが,ここでは表面電荷の置き方について.
電荷を置くには,デバイスシミュレーションの .cmdファイルに下のようなPhysicsの項目を足します.
Physics (MaterialInterface= "Silicon/Oxide" ) {
# surface charge concentration in unit of cm^-2
# Traps (FixedCharge Conc=1e12)
Traps (FixedCharge Conc=@<0.8e12+0.3e12*log10(0.0021544347+TID)>@)
}
FixedChargeを Concentration [cm^-2]の量として指定します。
一般的には大体 1e12 cm^-2 程度の電荷がたまりますが、総電離損傷の大きさに依存します。
ここでは、TID(単位 Mrad)での電荷量を最初の講義で見た実データを用いた値に指定しています。
IV simulation
それではノード n46-n50のジョブが終わっていたらそれぞれのIVカーブをプロットしてみてください。
ちなみに、pspray を p-stopにしたことでBreakDownが起こらなくなりました。(ガードリングの端での電場の集中はp-sprayが原因だったようです。)
TID 100-1000 Mrad までのすべてのプロットは重なっていて見えません。(Curvesタブのcurveをひとつづつクリックするとわかります。)
電荷がたまってもほとんど電流電圧特性はほとんど影響を受けないことがわかります。
CV simulation
n136-n140のジョブが終わっていたらCVカーブ(1/c^2)をプロットしてみてください。
TID 100-1000までのプロットはすべて重なっています。
TID0に関しては前回同様いびつな形をしていますが、一度酸化膜に電荷を置くと並行板コンデンサに近くなるようです。
(全空乏化するまで 1/C^2が電圧に比例し、全空乏化すると一定になります)
このプロットから全空乏化電圧は 15V程度であることがわかります。
MIP simulation
n196-n200のジョブが終わっていたら横軸時間、縦軸cathode 2(mid)からの電流および cathode 1(left)からの電流をプロットしてみましょう。
TIDの影響はほとんどないことがわかる。
TCAD バルク損傷のシミュレーション
バルク損傷のシミュレーション概要
講義参照
バルク損傷のシミュレーション実習
同様のPixel2DIrradSimのプロジェクトを用いて行います。
TID=0 のノードでfluenceが違うIVとCVのデバイスシミュレーションを走らせてみてください。
IV: n46, n51, n56, n61, n66, n71
CV: n137,n142,n147, n152, n157, n162 (
TID100Mrad の場合)
MIP: n196, n201, n206, n211, n216, n221
Ctrlキーを押しながらクリックすると複数のノードがクリックできます。
それでは走っている間に解説です。基本的にはバルク部のTrapping が実装されていることだけです。
## defect density = fluence x eta
## state 1: acceptor, E = Ec-0.42 eV, sigma_e = 2e-15 cm2, sigma_h=2e-14 cm2, eta = 1.613 cm-1
## state 2: acceptor, E = Ec-0.46 eV, sigma_e = 5e-15 cm2, sigma_h=5e-14 cm2, eta = 100 cm-1
## state 3: donor, E = Ev+0.36 eV, sigma_e = 2.5e-14 cm2, sigma_h =2.5e-15 cm2, eta = 0.9 cm-1
Traps(
(
name="state1" acceptor conc=@<fluence*1.613>@
Level FromConductionBand EnergyMid=0.42
eXsection=2E-15 hXsection=2E-14
##eJfactor=1.0 hJfactor=1.0
)
(
name="state2" acceptor conc=@<fluence*100.0>@
Level FromConductionBand EnergyMid=0.46
eXsection=5E-15 hXsection=5E-14
##eJfactor=1.0 hJfactor=1.0
)
(
name="state3" donor conc=@<fluence*0.9>@
Level FromValenceBand EnergyMid=0.36
eXsection=2.5E-14 hXsection=2.5E-15
##eJfactor=1.0 hJfactor=1.0
)
)
IV/CV/MIPなどのSDEVICEにそれぞれTrap{}関数が含まれています。
IV simulation
Non-irrad, 1e12 , 1e13, 1e14, 1e15, 1e16, 1e17 neq/cm2の照射量でIVカーブをシミュレーション
IV: n46, n51, n56, n61, n66, n71 を走らせた後プロットを見る。
照射量に応じて案電流の増加がみられる。
照射量が高いシミュレーションでは途中からさらに増加する傾向にある。
これらの分布が実際のデバイスの測定値とどのくらい一致しているかを検証することはとても興味深いですね。
今回は温度は300Kに固定で行っていますのでその辺も変えてみたいところです。
CV simulation
Non-irrad, 1e12 , 1e13, 1e14, 1e15, 1e16, 1e17 neq/cm2の照射量でCVカーブをシミュレーション
CV: n137,n142,n147, n152, n157, n162 を走らせた後プロットを見る。
non-irrad と1e13くらいまでは何となく問題なく測れていそうだが、それ以上は難しい...
これは実測定でも同じで、暗電流の効果で静電容量が測れないと考えられる。
MIP simulation
MIP: n196, n201, n206, n211, n216, n221のジョブが終わったら横軸時間縦軸 cathode2のTotalCurrentでプロットを作って比較してみましょう。
放射線損傷を受けるとベースが上がっているのは暗電流が増加するためです。
信号の大きさ(パルスの面積)は基本的には減少開港にありますが、1e15は非常に大きな信号になっています。(雪崩増幅か?)
一般的に放射線損傷後の検出器の運転は300K(室温)ではできません。253K(-20oC)などに下げて行います。
温度依存性等はPhysicsパラメータでシミュレーションできます。様々な物理パラメータに関しては次回説明します。
ここまで出来たら演習問題に進んでください。
Tutorial7thTCADDay4Question
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Atlasj Silicon - 2020-05-27