2021年5月高崎照射


実験概要

全てモジュールではなく最大1cm x 0.5cm程度のセンサー単体を当てるという形だったため、「回路部分にガンマ線が当たらないように調整する」などの必要はなかった。

ガンマ線照射中はセンサーや回路などに電荷がたまり、その影響で壊れてしまう危険があるため、何かしらの方法で電荷を逃がすためにGNDに落としておく必要がある。

今回はセンサーを留めるためのG10の板に銅製テープを張り、はんだ付けしたマックエイトを通してケーブル線でグランドへつなぐという方法で落とした。

(主にモジュールの時に影響するもので今回のようなセンサー単体だとそこまで危険性はないと思われるが、念のため処置を行った)

照射点

1MGy:高放射線環境を想定

100kGy,10kGy:上の照射点から1,2つ分スケールを落として照射量依存性をみる目的で設定

250kGy,70kGy:計算上、NIELで5e14,1e14 neq/cm2に対応している照射点とされている

スプレッドシート

スプレッドシート(https://docs.google.com/spreadsheets/d/1-IBBZsO1cNratAGKuuagLyobqdHeFne238j4aanYzuw/edit?usp=sharing)

Photo

Photo(GammaIrradiation202105Photo)

備忘録

持っていくもの

  • サンプル
  • ブックエンド
  • ネジ&ナット(+予備)
  • マジックペン
  • 養生テープ
  • カプトンテープ
  • ラボジャッキ
  • ガラスバッチ(当然放射線従事者である必要がある)
  • クーリングボックス(サンプルを回収するとき)

【注意点】

  • 各照射点ごとのセットを照射室に置いた後にマジックペンでどこの研究グループのものかわかるように所属と名前を書く必要がある
  • 照射施設内の写真は厳しく管理される(専用のカメラを貸し出され、検閲される:引きの写真や集合写真はすべて検閲対象になる)
  • 照射量の推定値を提示されるが、「水に対する放射線量率(kGy/h)」であり、これもレントゲンなどの単位で算出したものをGyに換算しているため、実際のシリコンセンサーに対する線量率は異なる可能性がある
  • 照射量が±5%で許容できないときなどは実際に概算しておく方が良い(下の理由により難しいとされる)
  • ガンマ線の発生装置は棒状のコバルト60線源を数センチごとに少し間隔を空けて配置されており、中心が最も高いとは限らない(構造は内部機密であり、推定値を出すのは不可能だといわれた)
  • アラニン線量計の誤差は±3%程度あり、線源中心に向かってサンプルの向きを調整したり、1センチ単位まで正確に位置調整したとしても、線量計の誤差の方が大きい

セットアップ準備

用意するもの

  • ブックエンド
  • 治具
  • 照射サンプル
  • グランド線(バナナケーブル)
  • マックエイト
  • M3ネジ+ナット
  • ラボジャッキ―
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  • G10を適度な大きさ(今回は3cm x 9cm)にカットし、後でブックエンドに固定できるようにあらかじめ穴を開けておく
  • G10の上に銅製テープを貼り付け、その上にマックエイトを張り付ける
  • センサーを各照射点ごとに分け、G10の銅製テープの領域に張り付ける
  • カプトンテープはガンマ線照射中にかなり粘着力が落ちるため、念入りにぐるぐる巻きにしておく
各照射点ごとの写真
  • 1MGy
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  • 100kGy
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  • 10kGy
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  • 250kGy
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  • 70kGy
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  • ブックエンドにはネジで固定(プラスチック製だと放射化して変形しないとも限らないので、一応金属製のものを選んだ)
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  • 照射サンプルの高さが22.5cmになるように台の高さを調整する
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  • マックエイトにマックエイト端子が刺さるかを確認
  • クーラーボックスの用意・作成(発泡スチロールのボックスとネオアイス(保冷剤)、緩衝材)→照射後サンプルのアニーリング対策
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  • グランド線の用意(簡単に外れないか確認しておく)
  • 一式をまとめて完了
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ガンマ線照射実験

  • 受付後に控室へ
  • アミノグレイ(アラニン線量計)を受け取り、サンプルに張り付ける
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  • 照射時間と照射室への入室許可時間が決まっている
  • 入室は15分で5分前には最終確認後に扉を閉める必要があるため、実質的に5分~10分ですべてのセットアップとサンプル回収を完了させる必要がある
  • 中に入って距離や照射量について話し合う時間はないため、事前に計算し、サンプルを置く位置の確認をしておく
  • 基本的に中の写真は検閲が必要であり、まともに写真は取れないと考えた方が良い
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  • 施設の設置できそうなところにグランド線をつなぎ、ケーブルを各照射サンプルごとのマックエイト端子に差し込む
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  • アミノグレイの回収後、30分程度で結果を出してもらえるので、そこから照射時間を調整したりする必要があればやる

-- Tatsuki Ueda - 2021-05-26

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